先日、お友達のみっちぃさんにSVO/WVO車を見せてもらったレポートです。
みっちぃさんは僕がSVOの勉強会に参加したのを知って、僕は未だに何も実行してないのに、さっさと実際に車を改造して(正確に言うと詳しい人に適切な車を買って改造までしてもらって)普通に毎日乗っているのです。こりゃ見せてもらわんば!と朝倉に行ってきました。
1)なにやら怪しいスイッチが・・・
2)後ろを開けると怪しさ満点のタンク・・・
3)車内にも怪しいホースが・・・
4)運転席の下には何やら怪しい装置が2つ付けられていた・・・
とまあ知ってる人は知ってると思うけど、全く知らない人のほうが多いと思うので僕なりに説明を。
そもそもディーゼルエンジンはディーゼルさんがピーナッツ油で動くように作ったものなので、軽油(鉱物油)ではなくて植物油でも動いちゃうエンジンなのだ!もうそれだけでディーゼル好きになるよね。
一度ぐらい聞いたことぐらいはあるとおもうけど、天ぷらカーってやつです。それってBDF?と思うかもしれないけど、BDFは天ぷら油を処理して軽油に近づけたものですね。僕も知人が作ったものを買ってトラクターで使っています。手作りしてみたこともあります。
それに対してSVOのSはストレートのS。つまり天ぷら油をそのまま入れちゃうんです。科学的に処理されたBDFやなくて、そのままです!って強調する言い方。別の言い方だとWVO(Waste Vegetable Oil)=廃食用、植物油なのです。とにかく菜種とかゴマとか大豆とか米とかオリーブとか、僕が農家だから特にそう感じるんだけど、作ろうと思えば作れる植物からとれる油で車が走っちゃうわけです。
どんなディーゼル車にもとにかく入れれば動くの?
それはちょっとですね。最新のクリーンディーゼルはいろいろ複雑だから難しいらしく(高いし)、ちょい古いディーゼル車はシンプルなだけあって改造しやすいとか。
改造しないといけないの?
そうですね、やはり鉱物油、軽油との一番の違いはドロドロなりやすいこと。特に寒い地域や寒い季節は厳しい。なので軽油との2タンクシステムにするのがなんだかんだ安心らしいです。なんかあったら軽油に切り替えて走ればいいわけで。写真4)の親指側の装置がラジエーターの熱で温めてさらにフィルターに通すもの、人差し指側が軽油とWVOを切り替えるもの。写真1)のスイッチで走り始めと走り終わりに軽油を使うようにしているそう。それだけといえばそれだけなんだなぁと見せてもらって思いました。
実際燃料としての違いはあるのか?
BDFを使っても思うけど、天ぷらの臭いが少しするだけで、走りに関してはなんの問題も無い!!なかなか信じられなくて頭が付いてこないけど、実際に動くのだから問題ないんです。
法律的に問題はないの?
きちんと車検も通るとのこと。「廃食用油」と明記されるけどそれで特段問題はないらしい。
廃食用油はどうやって手に入れるの?
給食や弁当やらを作っているところからもらうらしいです。何度も使ったものや、肉を揚げて動物性油脂は入ったものは避けたほうがいいので、見極めてからもらったほうがいいらしい。これだけは声をかけてみないと分かりませんね。
将来的には菜種育てて、天ぷらして、それで車まで走らせたいなぁ。
ほんとにストレート???
さすがに濾します。といってもフィルターに通して落ちるのを待つだけ。写真2)のように2段階でしているそうです。遠心分離とか使わないで、ただ置いておくだけならやれそうだと思いました。
まったく変わりないの?
と言われるとさすがにそれはなくて、日々エンジンの音やらを気にしておく必要があるし、ちょくちょくトラブルもあるらしい。でもそれは面倒というより、本来機械と付き合うなら当たり前のことだと考えればいいことのような気がします。手をかけたほうが愛着も湧きますよね。なんとかなるさが許される生き方とか社会のほうが豊かだと思いたいねー。きちんと知りたい人はこちらをお読みください。
でどうしたらいいの?
みっちぃさんもお世話になったのがこの方とのこと。事例があって、手頃なサイズと値段のディーゼル車があるといいなぁ。
エネルギーの問題は、社会的にも、個人の生き方としても、食べ物と同じように大きな要素。それを身近でなんとかしようという試みはそれ自体が楽しいし、本当に生きる上でデカイ要素だからこそ、権力やら国家やら戦争やらに繋がっているんですね。それに対してまじめに正面から抵抗することは難しいから、せめて非常時にリスクは回避したいなというのと同時に、少しおちょくった感じで抵抗するのがまた楽しいのです。
あれ?自分の食べ物ぐらいちょっと身体動かせば作れるんだとか、ソーラーバネル1枚置けばケータイ充電できちゃうんだとか、はじめて分かっちゃったときはめちゃ痛快でした。
ということで以上レポートでした!